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【読書録01】『真説 経済・金融の仕組み』横山昭雄

7月も中盤になってきましたが、とうとう重い腰を上げて読書録を書くことにしました。記念すべき最初の一冊は『真説 経済・金融の仕組み』。日銀出身の横山氏による名著です。

 

真説 経済・金融の仕組み 最近の政策論議、ここがオカシイ

真説 経済・金融の仕組み 最近の政策論議、ここがオカシイ

 

 

社会人になってから、仕事柄金融事情に詳しくなる必要があるため色々な本を手に取ってみました。でもちょっとした新書でもクソ難しいのなんのって...(翁さんの新書とかとっつきやすそうななりをしてむずい...いや、いい本ですが)

しかしこの本はちょっと経済学をかじったくらいの人ならさらっとはわかるように書かれていると思います。ではではどうぞ!

 

 

 

【概説】金融政策を簿記で分析

アベノミクスの下での日銀の金融政策について、企業行動と銀行行動を通して批判的に分析した超良書。銀行行動を複式簿記の考え方を使ってわかりやすくモデリングしている。マクロ経済理論では「金融政策を通して個々の金融機関がどのように行動するか(制度上どのように行動せざるを得ないか)」という部分が捨象されている。この本は制度を無視して経済政策を論じることの危うさを教えてくれる。

 

【難易度・読み方】第3章~第5章を読め!

・タイトルだけ見ると経済の基礎本に思えるが、中身は金融政策。
・学部中級レベル。授業でしっかりマクロをやった人ならすっと入っていける。
グラフが全く出てこない!ISLMナンジャラホイって人でも大丈夫。
・そのかわり複式簿記の知識が必要(3級かじったことある程度で可)
・文体に独特のノリがあるので読みにくさを感じる人もいるかも(私はむしろ好き)
・この本の真髄は第3章~第5章。学部初級レベルのマクロがわかる人は第1章、第2章は飛ばしてもいいかも。第7章は勇ましい言葉ばかり並んでいて正直雑なところもある。

 

【効用】金融政策がわかる

・制度を理解することの大切さ、合成の誤謬の恐ろしさに気づける
・日銀の金融政策についてもっともらしく批判できるようになる

 

【構成】金融政策は対症療法だ

〈〉内は筆者の感想ないし疑問点

・第1章、第2章:実体経済

→デフレは純粋に貨幣的な現象ではない。人口減少、高齢化により日本経済の実力はダウン、低圧成長期に入ってきている。


・第3章~第5章:金融政策

第3章
①銀行券の発行量は消費者が現ナマを需要することにより増加するのであって日銀は操作できない。日銀が働きかけられるのは準備預金のみ
②マクロ的には銀行が貸出をするから預金が生まれる。貸出とは無関係な「本源的預金」なるものはそもそも存在しない。
〈この点について「信用創造」という言葉の意味もよく言われる「預かったお金の一部が貸し出され~」型ではなくフリードマンの「銀行員のペンから預金が生まれる」型ではないのかと思う次第、今度丁寧に書きたい〉
③銀行も利益極大化行動をとっている
マネーストックは、企業の資金需要と銀行の与信行動とが見合ったところで供給される

 

第4章
①(単純化したモデルでは)ベースマネーの供給は中央銀行による供給を待つほかない
〈ここあんまりピンときていない、具体的にどのようなオペレーションによって(今なら国債の買い入れか?)準備預金が供給されるのか〉
マネーストックベースマネーの量を決める(中銀はbMレートを決める)
(bM供給の操作→bMレートの変動→一般長短金利に波及→収益動機に基づく銀行・企業行動の変化→MS量の変化→bM需要量の変化→bM供給量の変化 という波及過程)
③フィッシャー方程式(MS×V=P×Y)は因果式ではなく事後的な恒等式に過ぎない
④2000年代前半のデータから見るに、bM↑だがMS↓
⑤金融政策は緩和期には効きづらい、日本は低圧経済下にある
⇒単純化したモデルで金融政策の波及過程と限界がわかる

 

第5章
①銀行券発行増は金融引き締め要因
国債の銀行による引受は対政府与信でありMS増を生む
〈よくわかってない、銀行の日銀当座預金国債に変わるだけでB/Sの大きさは変わらないんじゃないかと思うのだけど…その後政府支出で政府預金が取り崩されて、日銀当座預金に移動してMS増ならまだわかるがそれは対政府与信といえるのか?〉
③証券会社、保険会社などは「信用媒介機構」、マネーストックの増大には寄与しない
④信用秩序の維持(システミックリスク対策・マクロプルーデンス)も大切
⇒銀行券要因・財政要因・信用媒介機構を導入してもモデルの含意は同じ

 

・第6章、第7章:現行政策の批判、根本的解決策

→金融政策はその場の景気浮揚策であり低圧成長期に入った日本経済には効果がない。異次元緩和の諸問題(リフレ派の矛盾、銀行のリスクテイク意欲減退、財政規律、資産価格バブル etc. etc. )がつらつら。根本的解決策は人口減少への対応、生産性向上、財政の持続可能性etc. etc….

 

 

とりあえずこんな感じで書いてみました(構成のところは端折りすぎててワカランかもしれないが半備忘録・半書評という位置づけでやっていくのでご参考までにという感じで)

やっぱりまとめると本の内容が整理されていいですね!今後もなるたけやっていきます。。